── 大綻び
約三百年前、古代の綴り手が世界の構造を書き換えすぎた結果、
世界は崩壊し、永遠の冬が訪れた。
人々は「炉都」と呼ばれる魔導炉を中心とした都市に集まり、
かろうじて命をつないでいる。
炉都の外には凍土が広がり、
壊れた綴りの残滓が魔獣となって徘徊する。
── 邂逅
炉都を追われ、凍土をさまよう青年。
かつて神童と呼ばれた宮廷魔導士は、
信頼した者に裏切られ、すべてを失った。
力尽きかけた彼を救ったのは、
吹き溜まりの小さな集落で暮らす
ひとりの綴り細工師の少女だった。
「…大丈夫ですか? しっかりしてください…!」
傷ついたふたりの、冬空の下の物語が始まる。